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姑獲鳥(うぶめ)の夏/京極夏彦

姑獲鳥(うぶめ)の夏読みたいといって友達に貸してもらったのに、あまりの分厚さに読みはじめる勇気が出なくて、数ヶ月間も放置したあげく(ごめん)、やっと最近読みおわった本。

はじめに延々とうんちく大会が繰り広げられるので、いったいどーしよーかと思った(笑)
だけど不思議と読むのをやめたくはならなかった。
いままで知らなかったけど、私ってひょっとしてうんちく嗜好だったのかしらん。…などとバカなことを思いつつ、どんどん読み進んでいった。

戦後の話っていうのも、最初はいまひとつ理解しにくかったけど、知らない時代だから逆に、一種のファンタジーみたいに、いつのまにか世界に入りこんでた。
キャラがすっごく「たっている」せいもあるかもね。

一見アヤシイけど、実は理性的でなかなか魅力的な、陰陽師探偵京極堂
よろよろしすぎで読み手をイライラさせまくり(笑)、語り手の関口
こっちはほんとに謎の超能力探偵、榎木津
読者を現実世界に引きもどしてくれる、普通人の木場刑事…。

読み進むうち、「そんなの、ミステリーとしてありえーん!」と思ってしまう部分が多々あるんだけど、それすらもう、作者の術中にはまってしまっているのかもしれない。
だって、人間が見ているのは脳が取捨選択した世界かもしれないけど、小説の世界は、作者が選びぬいた言葉でできた世界なんだから。
なんか麻薬系だよねぇ、この本。
私的には、栗本薫に近いかもしれない。(内容がじゃなくて、自分の読み方が)
…読むのをやめられない。

欠点は、なんといっても本が分厚すぎること。
私、通勤電車で立ってても本を読んじゃうんだけど、(だって一番現実逃避したい時間)、片手で吊革をにぎって、片手でこの本を持つと、手がさけそうなんですけど。
あと私、ミステリーを読んでて、終盤、「あのシーンはああだった」って解明されると、実際にそのシーンにもどって確認してしまう病気もあるの(笑)
こんだけページが多いと、該当のシーンを探すのも一苦労。
ああ、検索機能があったらなぁ。(←コンピューターかぶれ)

…なんか、ここの文章まで長くなってしまった。
やっぱり、うんちく嗜好? それとも作者のがうつったの?!
by mie_tohno | 2004-06-27 19:32 | 本のこと