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実衣のしっぽ日記

新版 指輪物語〈5〉二つの塔 上1

新版 指輪物語〈5〉二つの塔 上1
J.R.R. トールキン J.R.R. Tolkien 瀬田 貞二 田中 明子 / 評論社

忘れた頃にぼちぼち進める、指輪の旅。今回は、だいぶ前にTVで再放送した映画「ロード・オブ・ザ・リング」と合わせて読んでます。



アモン・ヘンから、ファンゴルンの森、白の乗り手の登場まで。
冒頭は映画1作目のクライマックス・シーン。映画をざっと見ただけだと、ボロミアが悪心を起こして指輪をねらったようにも見えちゃうんだけど、原作を読めばそうでないことがよくわかる。まったく逆で、ボロミアは指輪にねらわれていた。前巻のロスロリエンでエルフの奥方ガラドリエルさまは、そのことを警告してたのだ。

ボロミアは、モルドールとの戦いの前線になっているゴンドール王国の執政官の息子。王が長らく不在のため、歴史ある人間の国の最後の希望になるかもしれない人物。しかし、「自分の国を守りたい」という純粋な「想い」ですら、指輪の「力」がつけこむ「欲望」となる。ボロミアはぎりぎりで我に返って、指輪の誘惑に打ち勝つけれど、フロドは指輪が仲間をも蝕んでいくことをさとって、一人で旅立つ決意をする。原作で仲間を見失って大焦りのアラゴルンに、映画でボロミアに「自分が国を守る」と告げるシーンをつなげて味わうと、さらに泣けるよ~。やっぱりこの映画化は素晴らしい!
 
はっ、感動のあまり、ボロミアにいっぱい使いすぎてしまった^^;
この巻のかなりの部分は、ファンゴルンの森が舞台。メリーとピピンの活躍を、じっくり堪能できる。映画ではそれほど描かれなかったけど、オークに捕らえられたこの二人、なかなか辛い目にあってるんだよ~。ムチで打たれたりとか(涙) それでも、ちっともめげないホビットくん達。いろいろ頭を働かせての脱出行がすごい。逃げながらもしっかりレンバス食べてるし(笑)

ホビット追跡中のレゴラスギムリは、すでにすっかり仲良しさんで微笑ましい。映画では省かれちゃったけど、原作のギムリはすっごいガラドリエル様命!だよ(笑) エクステンデッド版DVDに入ってる、ギムリが奥方に髪の毛をもらったことをレゴラスに話すシーンを思い浮かべながら読みたい。

エントの寄合は、3日間も続いて長ーい。映画は、ともすればおもちゃっぽくなってしまいそうなエント達を、ギリギリのラインで荘厳に表現していたと思う。木の髭の瞳が印象的だったなぁ。私は原作だけではエントがどんなものかよくわからなくて、まるで入ると出られなくなる森みたいな怖さを感じた。映像では描ききれない、こうしたエント達の得体の知れなさは、原作でこそ味わえる。

いっぽうで、エントはとても情感豊かでもあるんだよね。エント女にまつわる歌はどれもせつない。滅びの前に再び会う日が来るといいのにね。 しかし「エント女」って訳はどうも、「口裂け女」みたいな妖怪系をイメージしちゃう。とはいえ、「エントの女性形」にぴったりする日本語は思いつかないや…。

(二つの塔 上2へつづく)
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by mie_tohno | 2006-09-09 19:12 | 本のこと | Comments(0)