絡新婦の理 / 京極 夏彦

文庫版 絡新婦の理 京極 夏彦 / 講談社

勢いにのって、京極堂シリーズ第5弾を読破。
毎度のことながら、分厚くて、複雑で、うんちくだらけで、そして面白かったー! なんだか、今まででいちばん面白かった気がします。では、いつもどおりキャラの話メインで。



事件はバラバラのパズルのピースで、全体像がなかなかつかめないのは、いつもと同じ。だけど冒頭からずっと、”蜘蛛は誰?”に頭を悩ませつつ読んでいける。(わからんかったが) イメージ的にも、前作の坊さんだらけからうってかわって、満開の桜が美しい。坊さん坊さんで気づかなかったけど、前作って男ばっかりの世界だったのねー。

今回は女性についてなので、京極堂のうんちくにも必然的に興味がわくところ。売春、夜這いから、女性解放運動、ジェンダーなどなど。どれも興味深かったです。あいかわらず京極堂は、フェアで多面的なものの見方を教えてくれるけど、実際、ここまで客観的に物事をとらえてばかりいるというのも、大変そうだなぁ。といっても、憑物落としは仕事なんだから、京極堂の主観とは別なのか…。語りまくりなのに、なかなか語ってくれないその心のうち、聞いてみたいものです。

事件の中心となる旧家、織作家。ここの女性達がまた魅力的。初めは、ものすごくとっつきにくい人達に見えますが…。人は一面的ではありえない。みんないろいろなものをかかえて精一杯生きています。とくに葵さんがお気に入り。この人の聡明さと理性的なところは、尊敬ものです。なにしろ、あの京極堂と堂々と渡りあえるんだもの! この家の人たちは、こんな古い家柄に生まれたのがいちばんの不幸かな…。

序盤は木場さんの活躍で進んでいって、例によって、ちっとも出てきません、京極堂。榎木津探偵は、いつもどおり大爆発。恐ろしいことに、前回よりもさらに役に立っての大活躍(笑) 女学生の美由紀ちゃんとのやりとりがいい! 関口とのやりとりがないのは、淋しいけど。 かわりに、関口さんは京極堂にちょっといじめられてます(笑) 出番は少ないながらも、彼の語りを読んでると、なんだかほっとする自分がいます。ちゃんと「読者」の視点の役割を果たしているから、これでいいのかもしれない…。

さぁ次は、ついに分厚いの2冊かな?
榎木津探偵の外伝も読みたいし、まだまだ楽しみがいっぱい!
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Commented by たいむ at 2006-02-02 22:56 x
「あなたが・・・蜘蛛だったのですね」
「ハイっ!ボクたち、タチコマは”クモ”型思考戦車でぇーす」

「蜘蛛」まできましたね?でも先は・・まだまだw
男ばかりから女の園へ・・この「蜘蛛」の関係者、後々いっぱい登場しますから、よーくその関係性を頭に叩き込んでおいてくださいね。

>”蜘蛛は誰?”
え~?最初からバレバレじゃないですか!
「あなたが・・・蜘蛛だったのですね」
京極堂はそういっているんですよ。その言葉遣い。一人しかいません。

>出番は少ないながらも、彼の語りを読んでると、なんだかほっとする自分がいます
やっぱり、関口君がお気に入りじゃないですか!(笑)
Commented by mie_tohno at 2006-02-04 20:11
>「ハイっ!ボクたち、タチコマは”クモ”型思考戦車でぇーす」
あはは(笑)
実は、タチコマがネットワークからすべての運命をあやつっていたのです!

>え~?最初からバレバレじゃないですか!
…そ、そう?^^;
ちなみに私、ミステリー好きだけど犯人がわかったことはありません(爆)

>やっぱり、関口君がお気に入りじゃないですか!(笑)
そうだったのか~。私ってば自覚がないんですね!(笑)
by mie_tohno | 2006-02-01 21:23 | 本のこと | Comments(2)