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鳩笛草/宮部みゆき ※ネタバレあり(あらすじ)

鳩笛草 宮部 みゆき / 光文社

宮部みゆき
って作家さんは、前々から気にはなってたんだけど、やっと読む機会が。
ほんとは「クロスファイア」を読もうと思ったら、帯のところに”「鳩笛草」に入ってる「燔祭」を先に読むべし”との作者のお言葉があったので、素直にそうした私(笑)
この本は、特殊な「能力」を持った人が登場する、3作の短編集となっている。

◇朽ちてゆくまで◇
子供の頃に事故で両親を亡くし、自分もそれまでの記憶がない女性の話。
祖母の死をきっかけに、記憶を失う前に持っていた能力に気づきはじめる…。
「能力」ゆえの苦悩。もし特別な力を持った子供が生まれたなら、家族はどう思うのか?
両親も祖母もすでに亡くなっているのだけど、話が進むにつれ、この人たちの生前の思いが伝わってくるのが感動的。

◇燔祭◇
「クロスファイア」のプロローグ的な話。(らしい)
事件で妹を亡くした主人公の前に、パイロキネシス(発火能力)を持つ女性が現われる…。
孤独で、一見クールな中に激しさを秘めているような、淳子さんが印象的。
話は短くて、余韻を残したまま終わる。まだ読んでない「クロスファイア」が楽しみ。

◇鳩笛草◇
3つの中で一番長い話なので、読みごたえがあった。
心を読む能力を持つ女性の話で、「能力がなくなるとどうなるか」が主題となっている。
主人公は刑事で、あだなが「ポンちゃん」というのが、なんか気に入った。
まわりの刑事さん達にもなかなか愛されてるし、彼女は幸せに生きられるといいなぁ。


3作品とも、とっても読みやすかった~!
ところでこれって、ミステリなの?(あんまりそうは見えない)
「超能力もの」ってことでSFぽい面もあるけど、メインとして描かれているのは人間心理。
まー、面白いから、ジャンルなんてなんでもいいんだけど。
早く「クロスファイア」を読まなくっちゃ。
by mie_tohno | 2004-10-26 19:57 | 本のこと